Shoji Times

#2026-05-04
20 sources → 11 news printed at 2026/05/14
academia
名古屋市立大学、2027 年 4 月に「総合生命理学部」を「理学部」へ改称し定員 43 → 90 名に倍増、一般選抜前期日程も新設

名古屋市立大学、2027 年 4 月に「総合生命理学部」を「理学部」へ改称し定員 43 → 90 名に倍増、一般選抜前期日程も新設

公立大学が「総合系」名称で散発募集していた基礎自然科学を「理学部」名称と前期日程に揃え直すことで、地元理系受験生の進学先選択肢に明確に組み込まれる構造改編に踏み切る

名古屋市立大、2027 年 4 月「総合生命理学部」を「理学部」改称・定員 43→90 名倍増・一般前期日程新設


何が変わったか

これまで名古屋市立大学の「総合生命理学部」(2018 年新設) は滝子キャンパスに置かれ、入学定員 43 名、一般選抜は後期日程のみ (募集人員 40 名) で運用されてきた。

この発表で同大は 2027 年 4 月に学部名を「理学部」へ変更し、2 年次以降を薬学部と同じ田辺通キャンパスに新棟を建設して移転、入学定員を 43 名から 90 名へ倍増、これまで存在しなかった一般選抜前期日程 (募集人員 40 名) を新設、学校推薦型選抜も 10 名に拡大することを公表した。滝子キャンパス側にも教養教育用の新棟が 2027 年 9 月末供用開始予定で、田辺通新棟は理学部移転に合わせ稼働開始を目指す。

社会にどんな影響があるか

18 歳人口減少局面で「総合系」名称の中規模学部が定員を倍増し前期日程を新設するのは強気の構造改編で、東海地方の公立理系受験市場における名古屋市立大の見え方が大きく変わる。「総合生命理学部」という設置当初の名称は学際性を強調する意図だった一方、受験生検索段階では「理学部」というシンプルな呼称が他大学比較に乗りやすく、進学先候補リストへの組み込まれ方が改善する公算が大きい。

一方で副作用として、定員倍増は学生 1 人あたりに割ける教員リソース・実験設備を希薄化させるリスクがあり、新棟建設・教員採用が想定通りに進まなかった場合に教育の質が落ちる懸念は残る。前期日程新設で受験者層も多様化するため、入学後の学力分布管理にも新しい運用負荷が乗る。

俺にどんな影響があるか

産学連携を主戦場とする PRES からは、「公立大学が定員拡大と学部改編で理系受験市場での存在感を取りに来る」動きは、研究室発技術の供給源としての中規模公立大の選択肢が今後 5〜10 年で太くなる兆候として読める。レンタル DX 推進室サービスの研究室マッチング設計においても、東京・京阪神の有力大に偏らない地方公立大の理工系研究室を継続ウォッチする運用価値が増す。

ニュースの詳細

入試区分の内訳は、後期日程の 40 名を維持しつつ前期日程 40 名を追加新設、学校推薦型選抜は連携指定校型 1 名 (変更なし)・名古屋市高大接続型 2→6 名・新型推薦 3 名で合計 10 名となる。総合生命理学部は 2018 年 4 月に滝子キャンパスで開設され、生命科学を中心に基礎自然科学を学修する位置づけだったが、2027 年から田辺通キャンパスへ 2 年次以降を集約することで薬学部との並走が可能になる。

キャンパス再編整備プロジェクト全体としては、滝子キャンパスにすべての学部の新入生対象の教養教育科目用新棟を建設中で、2027 年 9 月末からの供用開始を目指す。田辺通キャンパスの新棟は、改称後の理学部移転と併せた供用開始計画となっている。詳細は同大の入学者選抜変更点 PDF とキャンパス再編整備特設ページに開示されている。

キーワード解説

公立大学 とは、都道府県・市区町村など地方自治体が設置する大学。国立大学・私立大学と並ぶ日本の三類型のひとつで、運営費の多くは設置自治体の財政から支出される。地域人材の育成と地場産業との接続が設立趣旨に強く、国立大より小規模で地域密着型のカリキュラムを持つケースが多い。

一般選抜前期日程 とは、国公立大学が共通テスト後の 2 月下旬に実施する筆記学力試験中心の入試区分。受験生が第一志望に投じる主戦場で、合格発表が早く後期日程の出願余地を残す。前期を持たない学部は他大学比較で受験生検索から漏れやすく、募集設計上の不利になる。

学校推薦型選抜 とは、出身高校の校長推薦をもとに、調査書・面接・小論文・実技などで総合評価する大学入試区分。旧称「推薦入試」で、地元高校との接続強化、特定分野で意欲・適性が突出した生徒の確保を狙う設計に使われる。連携指定校型・地域接続型など派生区分が多い。

18 歳人口減少 とは、少子化の進行で大学受験適齢期の人口が減り続けている構造変化。1992 年のピーク 205 万人から 2024 年には 110 万人台まで縮小しており、大学側は定員削減・学部再編・社会人受け入れ拡大などで対応を迫られる。本件のような定員拡大は、競合大からシェアを奪う前提でしか成立しない強気の判断にあたる。

source: 大学ジャーナルオンライン , 名古屋市立大学 公式 (入学者選抜変更点 PDF) , 名古屋市立大学 キャンパス再編整備特設ページ