Shoji Times

#2026-05-05
20 sources → 14 news printed at 2026/05/06
academia
学校法人電波学園、愛知工科大学と自動車短期大学の2027年度募集停止と閉校を決定

学校法人電波学園、愛知工科大学と自動車短期大学の2027年度募集停止と閉校を決定

地方私立工科大学の縮小・閉校が連鎖し、自動車整備士養成系単科短大も新潟工業短大に続き全国で3校体制に絞られる

学校法人電波学園、愛知工科大学と自動車短期大学の2027年度募集停止と閉校を決定


何が変わったか

愛知工科大学と愛知工科大学自動車短期大学 (ともに愛知県蒲郡市) は、それぞれ2000年・1987年に開学して以来、愛知県三河地方のものづくり企業との連携と自動車整備士養成を看板に運営されてきた。地方私立工科大学の中では中規模に位置し、入学定員は工学部全体で125名・短大25名で、長く学生募集を続けてきた。

運営する学校法人電波学園は理事会で、2027年度以降の学生募集を停止し、在校生の卒業を待って両校を閉校することを決定した。 学生数の定員割れが常態化していたためで、中長期的に安定した学校運営ができないと判断した。地方私立大学の連鎖的な閉校・統合の流れに、新たな1校が加わった形になる。

愛知工科大学閉校
愛知工科大学と自動車短期大学が、定員割れ常態化を理由に2027年度募集停止・閉校を決定した。

社会にどんな影響があるか

主たる影響として、自動車整備士養成系の専門短大が国内で3校体制に絞られる。2026年3月末時点で国土交通大臣指定の自動車学科を持つ大学は全国12校で、うち短期大学は愛知工科大学自動車短期大学のほか、新潟工業短期大学・中日本自動車短期大学・高山自動車短期大学・徳島工業短期大学の計5校。新潟工業短期大学が既に2026年度から募集停止しているため、2027年度以降に学生募集を行う自動車系短大は中日本・高山・徳島の3校のみとなる。EV化・自動運転で整備士の需要構造が変わる過渡期に、養成インフラ自体が痩せていく構図が露わになる。

一方で副作用として、地方私立工科大学の閉校が「定員割れ → 経営判断」のパターンで連鎖しているなか、文科省・地方自治体・産業界での代替策議論が遅れている。愛知工科大学が担っていた三河地方ものづくり企業との産学連携機能を、誰が代替するのかが宙に浮いたまま閉校が進む。

ニュースの詳細

愛知工科大学は2000年に開学。愛知県三河地方のものづくり企業との連携を特徴とし、2026年度募集では工学部 (機械システム工学科 入学定員35名、電子ロボット工学科 同25名、情報メディア学科 同65名) と大学院 (工学研究科 博士前期課程 入学定員7名・後期課程 同3名) を設置。キャンパスは名古屋・浜松から蒲郡駅まで電車で約50分、駅から無料スクールバスで約12分の立地。

愛知工科大学自動車短期大学は1987年に愛知技術短期大学として開学、2007年に現名称へ改称。開学当初は自動車工業学科と電子工学科の2学科だったが、電子工学科は2000年に開学した愛知工科大学工学部がその役割を引き継ぎ、自動車工業学科のみの単科短大となっていた経緯がある。

2027年度以降の募集停止は両校とも一括で決定され、在校生の卒業を待って閉校する形をとる。学校法人電波学園としては理事会判断で、学生数の定員割れが常態化していたため中長期的に安定した学校運営ができないと結論づけた (学校法人電波学園公式リリース)。

キーワード解説

学校法人電波学園 とは、名古屋を拠点に複数の学校 (大学・短大・専門学校・高校) を運営する学校法人。1948年創立で、愛知工業大学とは別法人。今回閉校が決まった愛知工科大学・自動車短期大学のほか、専門学校・高校群を傘下に持つが、全体としては学齢人口減少の影響で運営規模の見直しを進めている段階にある。

定員割れ とは、大学・短大の入学定員に対して実際の入学者数が下回る状態。私立大学にとっては学費収入の直接減を意味し、慢性化すると経営圧迫から学部閉鎖・統合・閉校に至る。文部科学省の調査では2025年時点で私立大学の半数以上が定員割れに陥っており、地方単科系工科大学・短大はそのリスクが特に高い層に位置する。

自動車整備士国家資格 とは、自動車の整備を業として行うために必要な国土交通省所管の国家資格 (1〜3級・特殊整備士)。資格取得には国土交通大臣が指定する養成施設での教育課程修了か、実務経験を経た国家試験合格が必要。指定養成施設の閉校は、業界の整備士養成パイプラインの細りに直結し、EV・自動運転時代の整備技能継承にも影響を与える。

source: 大学ジャーナルオンライン , 学校法人電波学園 公式リリース