Shoji Times

#2026-05-07
20 sources → 24 news printed at 2026/05/09
science
米陸軍、小型ドローン搭載の地中貫通爆弾「BRAKER」を試験、低コスト使い捨てで地下施設破壊が可能に

米陸軍、小型ドローン搭載の地中貫通爆弾「BRAKER」を試験、低コスト使い捨てで地下施設破壊が可能に

従来は大型爆撃機が運ぶ高価で重い兵器だったバンカーバスターが、低コスト使い捨てドローン搭載式に小型化され、戦術運用の自由度が劇的に変化する

米陸軍、小型ドローン搭載の地中貫通爆弾「BRAKER」を試験


何が変わったか

これまで地下司令部・弾薬庫・トンネル等を破壊するためのバンカーバスター (地中貫通爆弾) は、強い運動エネルギーを得るため大きく重く、湾岸戦争で使われた GBU-28 のような大型爆撃機投下型が標準だった。

米陸軍は 小型で機敏な使い捨てドローンに搭載できる軽量・強力なバンカー破壊用弾頭「BRAKER」を試験した。低コストで使い捨て可能な一方向攻撃ドローン (one-way attack drone) に統合され、巨大爆撃機が巨大爆弾を落とす運用から、小型ドローンが強固な軍事施設に近接して弾頭を届ける運用への発想転換を示す。

社会にどんな影響があるか

主たる影響として、地下要塞攻撃の戦術が「滑走路と空中給油を必要とする戦略爆撃機」から「前線で起動できる使い捨てドローン群」へ移行する。これは部隊運用の柔軟性、配備コスト、攻撃決定までのリードタイムの全てを大幅に変える。ウクライナ戦争で実用化された一方向攻撃ドローンの戦術が、地中貫通という別カテゴリの兵器に拡張される展開でもある。

副作用として、バンカーバスター級兵器の小型化・低コスト化は、非国家アクター (テロ組織、犯罪組織) や中小規模の国家によるアクセス可能性を引き上げる。地下インフラ・防空シェルターの脆弱性が再評価を迫られ、政府機関の重要施設の防護コストが上昇する。

ニュースの詳細

通常の爆弾は地表付近で爆発し、衝撃と破片で周囲を破壊する。しかしバンカーバスターは高速落下で地面・コンクリートを突き破り、内部に入り込んでから爆発することで強固な施設に大きな損傷を与える設計。湾岸戦争では地下施設攻撃に GBU-28 のような大型バンカーバスターが使用された。

BRAKER は、こうした地中貫通能力を保ったまま、小型・軽量で使い捨てドローンに搭載できる弾頭として開発された。米陸軍の発表によれば、低コストで使い捨て可能な一方向攻撃ドローンに統合されている。試験の様子も動画で公開されている。

キーワード解説

バンカーバスター (bunker buster, 地中貫通爆弾) とは、地下に建設された要塞・司令部・弾薬庫を破壊するための爆弾。爆発の前に高速で地面やコンクリートを貫通し、内部で起爆する遅延信管を持つ。代表例として GBU-28 (米国製 2,200 kg 級)、MOP (15,000 kg 級) があり、戦略的に重要な兵器とされる。

一方向攻撃ドローン (one-way attack drone) とは、自爆型・特攻型の使い捨てドローン。Iranian Shahed や米国の Switchblade が代表例で、低コストかつ大量運用可能な特性から、ウクライナ戦争以降、戦術ドローン戦の中核兵器として注目される。

GBU-28 とは、米国が湾岸戦争中の 1991 年に緊急開発した 2,200 kg 級バンカーバスター。当時のイラク軍の地下司令部破壊のために設計され、F-111F 戦闘爆撃機から投下された。強固な地下要塞攻撃用兵器の典型例として、本記事の比較対象になる。

source: ナゾロジー