Shoji Times

#2026-05-09
20 sources → 14 news printed at 2026/05/10
academia
日本体育大学伝統の「エッサッサ」、誕生100周年に744人で披露しギネス世界記録「最大の日本式リズミック応援」を達成

日本体育大学伝統の「エッサッサ」、誕生100周年に744人で披露しギネス世界記録「最大の日本式リズミック応援」を達成

100年継続した学生伝統文化が、ギネス記録という外部認証を通じて大学ブランドの差別化資産として再パッケージされる事例

日本体育大学伝統の「エッサッサ」、誕生100周年に744人で披露しギネス世界記録を達成


何が変わったか

日本体育大学伝統の応援スタイル「エッサッサ」は、1926年に体操学校学生の平井一氏が考案し、寮生によって100年間世代を超えて口伝されてきた身体文化だった。

2026年5月1日、東京・世田谷キャンパスで開かれた 誕生100周年祝賀イベントで在校生・卒業生合計744人によって披露され、ギネスの公式認定員が現地審査のうえ「最大の日本式リズミック応援 (Largest Japanese-style rhythmic cheering performance)」として世界記録に認定。八木沢誠副学長に公式認定証が授与された。

社会にどんな影響があるか

100年以上継続する大学固有の身体文化が、ギネス記録という国際的に共有可能なフォーマットに翻訳されることで、大学ブランドの差別化資産として商品化された。少子化と大学全入時代を背景に、各大学が「他大学と区別される独自文化」を可視化する競争に入っている。東京農業大学の「大根踊り」、東京海洋大学 (旧東京商船大学) の「錨をあげて」など同種の応援文化を持つ大学にもブランド戦略の参考例を提供する。

副作用として、伝統文化が「ギネス記録達成」というイベント駆動の話題作りに最適化されると、本来の口伝・即興性・文脈固有性が形骸化する懸念がある。100年続いた寮生間の伝承文脈と、メディア向けに7百人を集める編成のあいだの緊張は文化人類学的な検討を要する。

ニュースの詳細

エッサッサは1926年、米国から持ち込まれた「ピストン・ロッジ・アームモーション走法」の腕の振りに静と動・強と弱・速と遅を取り入れ、「エッサッサ」の掛け声を加えた形で平井一氏が考案。当時の大学応援スタイル競争 (東京農業大学「大根踊り」、東京商船大学「錨をあげて」など) の中で旧両国国技館の大相撲で披露されて注目を集めた。

時代変遷の中で学生寮の寮生によって少しずつアレンジされ、獅子が月に向かって咆哮する様子を加えるなど「静の強さ」を伝えるスタイルに完成。世代を超えて寮生から寮生へ伝承されてきた。今回の744人公演は在校生・卒業生混合での100周年記念で、認定はギネス公式認定員の現地審査による。

キーワード解説

エッサッサ とは、日本体育大学が1926年に考案した男性応援スタイル。腰を低く落とした構えから両腕を交差させる動作と「エッサッサ」の掛け声を組み合わせ、静と動・緩急のコントラストを強調する身体表現。日体大の入学式・スポーツ大会・各種式典で必ず披露される、大学アイデンティティの中核となる伝統。

大学応援文化の差別化資産化 とは、各大学固有の応援団・応援歌・身体表現を、ブランディング・広報・入学者獲得の戦略資産として位置づける動き。少子化局面で「学力・就職実績」以外の差別化軸として注目される。慶應義塾の「若き血」・早稲田の校歌・関西六大学などはその先行事例。

ギネス世界記録 (Guinness World Records) とは、英ギネス・ワールド・レコーズ社が運営する世界一を認定する出版・サービス事業。1955年創業で年間6万件超の申請を処理。公式認定員が現地審査するか、申請者が証拠を提出して認定される。組織のメディア露出を狙う公式記録挑戦事業として大学・自治体・企業に広く活用されている。

source: 大学ジャーナルオンライン , 日本体育大学公式リリース