Shoji Times

#2026-05-10
20 sources → 16 news printed at 2026/05/11
academia
香川大学のサイバー防犯ボランティアSETOKUが学生団体初の総務大臣奨励賞を受賞、累計1万件超のフィッシングサイト通報

香川大学のサイバー防犯ボランティアSETOKUが学生団体初の総務大臣奨励賞を受賞、累計1万件超のフィッシングサイト通報

大学生サイバー防犯ボランティアが全国 300 団体以上 (約 3 割が大学生団体) に拡大、情報リテラシー人材の供給チャネルとして定着しつつある

香川大学のサイバー防犯ボランティアSETOKUが学生団体初の総務大臣奨励賞を受賞、累計1万件超のフィッシングサイト通報


何が変わったか

これまでサイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞は、企業・自治体・専門団体を対象に運用されてきた。

今回の表彰で、香川大学サイバー防犯ボランティア「SETOKU (せとく)」が学生団体として初めて総務大臣奨励賞を受賞した。SETOKU は香川県警と連携してフィッシング詐欺サイトの発見・通報・閉鎖追い込み、児童・生徒への啓発活動を続けており、2025 年度は約 6,200 件を通報し、2021 年の設立以来の累計通報件数は 1 万件を超えた点が高く評価されている。

社会にどんな影響があるか

主たる影響として、大学生による草の根のサイバー防犯活動が、公的表彰の対象として制度的に認知される段階に入る。警察庁によるとサイバー犯罪防止ボランティアは全国 300 団体以上が活動しており、約 3 割が大学生団体。情報リテラシーが高い人材を育む仕組みが、フィッシング詐欺対策という社会的に高需要の領域で機能していることが示される。

副作用として、ボランティア依存の犯罪対策には限界もある。フィッシングサイトの数は AI を使った生成自動化で急増しており、年 6,200 件規模の通報で対応できる範囲は限定的。SETOKU のような活動は重要だが、根本的な対策としては検索エンジン・ブラウザ・通信事業者の側でフィッシング検出 AI を統合する自動化と組み合わせる必要がある。

ニュースの詳細

SETOKU は 2021 年、香川県警と協定を結んだ大学からの呼びかけで学生サークルとして発足した。メンバーは理系学生が中心だが、文系学生も参加している。主な活動は疑わしいフィッシングサイトを発見し、マイクロソフト・グーグルへ通報してサイト閉鎖に追い込む流れ。近隣の小学校でサイバーセキュリティ出前授業も続けている。

警察庁の集計では、サイバー犯罪防止ボランティアは全国に 300 団体以上、そのうち約 3 割が大学生団体で構成される。これは「情報リテラシーが高い若年層」が、デジタル犯罪対策の人的リソースとして組織化されていることを示す。大学発の防犯活動が学生団体初の総務大臣奨励賞という形で公的評価を受けたことは、今後の同様の活動への組織化・予算化のインセンティブにもなる。

キーワード解説

フィッシング詐欺 とは、金融機関・大手企業・公的機関を装った偽サイトに利用者を誘導し、ログイン情報・クレジットカード番号などを盗み取る詐欺手口。SMS (スミッシング)・メール・SNS の DM など複数の経路で誘導される。手口の巧妙化と AI による大量生成が進む。

サイバー防犯ボランティア とは、警察と連携して悪質情報の発見・通報・啓発活動を行う民間ボランティア団体。警察庁の認定制度はないが、各都道府県警察との協定や活動連携を通じて、市民・大学生・専門職が参加する。

総務大臣奨励賞 とは、総務省が情報通信分野で社会貢献度の高い活動・取り組みに対して授与する表彰。サイバーセキュリティ・情報通信普及・地域 ICT 活用などの分野で運用されており、企業・自治体・団体が主な対象。学生団体への授与は今回が初。

source: 大学ジャーナル , 香川大学 (SETOKU表彰の発表)